既にふくさん、griさんが紹介されている大同生命 特別展示 『大坂屈指の豪商「加島屋」からの400年の歩み』(企画展示「九転十起生-広岡浅子の生涯」)に行って参りました。http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061521/p11078989c.htmlhttp://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061426/p11089333c.html
玉岡かおるさんの『負けんとき』を読んで、初めてヴォーリズと広岡家の関係について知り、ずっと大同生命大阪本社のメモリアルホールを訪ねてみたいと思っておりました。
展示では書籍も紹介されており、その一部の本を読みながら展示品を紹介させていただきます。
ブロガーにとって嬉しいことに、今回の展示の写真撮影について、商用以外であればほとんどの展示の撮影が許されることが掲示されていました。
一番の興味はヴォーリズの設計した「旧肥後橋本社ビル」であり、その竣工式の様子は古川智映子『小説 女性実業家・広岡浅子の生涯 土佐堀川』の最終章「加島屋ばんざい」で生き生きと描かれています。
<大同生命の社屋は、創立の明治三十五年から大阪大川町に置かれていたが、浅子は以前から、土佐堀川肥後橋前、加島屋の敷地に近代的なビルディングを建てることを考えていた。設計はやはりヴォーリズ事務所に依頼することになった。>設計時のの手書きスケッチです。
INTERIOR VIEW LOOKING TOWARD ENTRANCE FOR DAIDO SEIMEIと書かれています。
<「どえらい建物ですな、恵三はん」「お義母はんの考えいれたら、こないになってしもたそうどす。いま、中途半端なもん建ててもまた狭もうなる思います。大同生命の発展は驚異的やさかしに、思いきって大きくてしっかりしたもの建てといたほうがあとまでええと思います」「大阪一のビルになるやろな」>
写真は展示されていたミニチュアです。
そして小説では広岡浅子が竣工式に出席し、挨拶をする最後の場面が感動的に描かれています。<午前十時、落成の式典が始まった。浅子は金ラメ入りの黒レースの豪華なロング・ドレスを身にまとい、胸高くに造花をつけていた。銀色の髪が黒の洋装によく似合った。大同生命社長、竹中工務店社長、来賓代表などと一緒に、浅子もテープカットに加わった。> しかし小説と断られているように、事実は浅子は大正14年の竣工式を待たず、大正8年に70歳の生涯を閉じていました。
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